1969年初出 藤子不二雄A
中公文庫 全3巻

一部知識人や文化人に高く評価された短編集ですが、うーん、私はダメでした。
ホラーのようでホラーでない、幻想小説風に読み解けばいいというわけでもない、ただただ黒くて後味が悪いんですよね。
映画ファンなら良くご存知かと思いますが、ミヒャエル・ハネケが監督した「ファニーゲーム」という一切の救いを描かないひたすら気分の悪い映画があるんですが、私はそれと似たものを感じました。
不条理な悪意、降ってわいたような惨劇をそのまま切り分けて見せつけられても、一体何を楽しめばいいのか、私にはわかりません。
これ、藤子不二雄Aと言う大看板でなかったらここまで評価されただろうか、と思ったりもします。
個人的にはガロ系の作品群と同位置ですね。
いったいどこにユーモアが?って感じ。
私のテリトリーに批評すべき言葉はありません。
コメント
[…] ブラックユーモア短編集と近い質感。 […]