2012年初出 熊谷カズヒロ
集英社グランドジャンプYJC 1巻(全4巻)
「モノクロームボックス」以降、音沙汰のなかった熊谷カズヒロの、古巣集英社への復帰作。
まずは喜ばしい限り。
新作の題材は意外にもアレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」。
「巌窟王」と言った方がなじみがあるかもしれませんね。
切り絵のような独特の作画は健在で、 ストーリーは今のところ比較的原作に忠実、丁寧で緻密な作話は過去最高のクオリティかも、と思わせるもの。
普通におもしろいです。
ただ巌窟王はこれまでいくたびも映画やドラマでリメイクされてきた作品ですし、 近年大きくアレンジを施した意欲的なGONZOのテレビアニメがあったばかり。
普通にやってたんではどうしても影が薄くなっちゃう、と思うんですよね。
熊谷カズヒロの稀有な個性と巌窟王がどう化学反応を起こすか、見どころはその一点に尽きるように思います。
続巻に期待したいところ。
なにかしでかしてくれるはず、と信じて続きを追いたい、と思います。
1巻の段階では期待させるものあり。