2023 アメリカ
監督 ニキ・カーロ
脚本 ミシャ・グリーン、アンドレア・バーノフ、ピーター・クレイグ

さしずめ『ママはスナイパー~彼女を怒らせたら皆殺し』といったところか
事情があって離れて暮らす娘の身柄の危機に、単身拳銃片手に組織へと挑む母を描いたバイオレンス。
多くの方はもうお察しかと思うんですが、母、素人じゃありません。
元軍人で、退役後は組織の殺し屋として暗躍した、という裏社会の人間。
現在は組織ともめて隠遁生活だったんですが、もめたせいで、腹いせに実の娘が狙われちゃうんですね。
狙われてることを知った母は、そりゃもうリーアム・ニーソン並みに豹変します。
自分の事情で娘が狙われてるわけだから、なんとしても娘を守り抜かなくては、と母は固く決意。
でまあ、いきなり狙撃銃で組織の手下どもを昼日中の公園にてスナイプですよ。
娘を拉致すべく現れた連中が悪いのはもっともなんですけど、娘をつかまえようとしただけで片っ端から脳天撃ち抜いて皆殺しですからね、いや、あんた、熟練のテロリストでも震え上がるわ!って話で。
戦時下の交戦地帯じゃないんだから、いくらなんでもやりすぎだろ!と思うんですけど、これがまた都合よく警察がやってこなくてねえ。
しかしほんと、みんな、この手の「怒らせてはいけない元〇〇」な物語が好きだなあ、って。
ここ数年、役者を変え、ステージを変え、延々作られ続けてる気がしますね。
ただ本作の場合、女性が主人公なんで。
母が子を守ろうとする狂気がイデオロギーやモラルを超え、すべて正当化されてしまう手触りがある。
いわゆる子連れの母熊には間違っても手を出すな、ってやつですよ。
かほどに母性ってやつはのっぴきならないわけで。
図らずも、そりゃ、余計なことをしたやつが悪い、って空気になっちゃう。
また、監督が上手だったのは主人公を戦闘のプロフェッショナルとしつつも、物理を無視して無敵には描かなかったこと。
いくら強くても数には勝てないわけです。
えっ、ここまで来て、結局は悲しい最期が待ち受けてたりするの?とリスナーをハラハラさせる演出なんかもあって。
細腕の女が、でかい男どもをばったばったとなぎ倒すカタルシスがあるのはもちろんのことながら、スリルを大事にする作劇が効果的なんですよね。
約2時間のラニングタイムがあっという間でしたね。
ま、厳しいことをいうなら、娘を山奥の山荘に閉じ込めてサバイバルの特訓をする展開とか、どこの安いカンフー映画なんだよ、ってな感じで興ざめだったりとか、小さな上滑りはいくつかあったと思うんですが、それも、母と子、たった二人の死に物狂いな生きるためのドラマの前では細かなことですかね。
なんだかんだ言って最後は感動的だったりしますし。
あと、主演のジェニファー・ロペスが、思ってた以上に動けてて感心しました。
早回しや編集で工夫してるのかもしれませんが、50代の体さばきじゃねえな、と思いましたね。
ていうかこの人はいつからアクションやるようになったんだ?
私が記憶してるロペスはザ・セル(2000)が最後だからなあ(昔すぎるわ!)。
NETFLIXオリジナルにしては良作の部類だと思いますね。
ねじレート 75/100

