善良なる異端の街

2010年初版
BbmfマガジンGAコミックス

<収録短編>
わたしのお父さん
カミーラ
遠くの方
PARLOR31
砂漠のフェーデ
女子高兵
ふぁみれす

私が読んだ松本次郎の短編集の中では一番粒ぞろいかな、と思われる一冊。

記載がないんで、どこに掲載された短編でいつ頃のものなのか全くわからないんですが、興味深いのは女子攻兵(2011)のプロトタイプだろうと思われる「女子高兵」と、ビューティフルプレイス(2021~)の雛形だろうと思われる「PARLOR31」が収録されていること。

ああ、昔からアイディアだけはあったんだな、って。

あとがきで「長編にしたい」と書かれており、実はこの人、着実にやりたいネタをひとつづつ形にしていってたんだ・・と少し感心したり(時代劇をやりたい、との記載もあり)。

女子攻兵やビューティフルプレイスのファンは興味深く読めるんじゃないですかね。

他に出色な一作といえば、やはり「わたしのお父さん」で、私は山上たつひこかよ!と思わず笑ってしまった。

キャラの役割は微妙に違うんだけど、そっくりな短編があるんですよ。

主人公が受け手か攻め手かが違うだけなんで、やってることは実質同じかも。

あの山上たつひことかぶる、ってのがなんとも興味深いですね。

あとは、ぶっ壊れて屈折しまくってる人たちの乱痴気な日常を意味ありげに描いてるパターンが多いかな。

作者お得意の手口ですね。

一定の水準はクリアしてます、投げてない(時々作者は投げる)。

ま、変わらず下品で露悪的なんで、だめな人はだめかもしれません。

私は松本次郎のやさぐれっぷりが最終的にどこへ向かおうとしてるのか気になるんで、多分これからも知らん顔はできないんだろうなあ、と改めて思った一冊だったりしましたね。

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