アメリカ 1978
監督 ブライアン・デ・パルマ
原作 ジョン・ファリス
キャリー(1976)がヒットしたので柳の下、って感じで撮ったんでしょ?みたいな揶揄的な評価をされがちですが、私、これはこれで悪くない、と思っていたりします。
現実に存在するとしたら超能力者とはどう描かれるか、みたいな部分に腐心して作られてるのが好きなんですね。
アメコミのファンタスティックフォーやXメンと違って、SFファンタジーにすまい、とするリアリズムへの接近は当時にしてはがんばった方なのでは、と私は思います。
なにより、キャリーみたいにひたすら救われず悲惨じゃないのがいい。
まあ、本作も決して明るい映画とはいえないわけではありますが。
古さゆえの難点は、心霊とサイキックがごっちゃになっちゃってること、接触テレパスもサイコメトリーもテレキネシスも全部同じような意味合いでとらえられていることですが、こりゃ仕方がない。
結局この路線はクローネンバーグのスキャナーズに受け継がれるんでしょうが、先鞭をつけた、という部分で私は無視できないように感じてます。
大傑作、というわけではありませんが不思議に記憶に残ってますね。
余談ですが後半、ピーターとギリアンがバスを止めてすったもんだするシーン、何故か私はこれが凄い好きで。
何度みても胸が熱くなっちゃうんですよね。
こういうのがあるからデパルマは侮れない、と当時思ったものです。