アメリカ 1984
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 ブライアン・デ・パルマ、ロバート・J・アヴレッチ

「裏窓」「めまい」をモチーフに、ヒッチコック愛あふるるオマージュ的作品なわけですが、何本そういうのを撮れば気が済むんだ、と思わなくもありません。
昔見たときはすごいエッチだ、と思ったんですが、今見るとそれほどでもないかも、と思ったり。
いや、猥雑でエロいのは間違いなんですけどね。
随所にこだわりがあるのはよくわかりますし、ああさすがにデパルマだ、と思う絵もあって侮れないのは確かなんですが、なんと言いますか、主人公に共感できない、というがあってですね。
とりあえず隣人の半裸姿を覗いちゃだめだろう、と。
いくら覗ける環境にあったとしても。
さらには後をつけて、ヒロインが棄てた下着を懐にしまっちゃうとかね、それ性質の悪いストーカーじゃないかよ、って。
気持ちはわからんでもないですけどね、それぐらい自制しろ、と。
挙句に犯罪に巻き込まれたとしてもですね、全然同情できないわけです、こちらとしては。
トリックのオチはそんなに悪くはないんですが、もっと感情移入できるキャラを配置できなかったのか、と思いましたね。
なんだかコメディタッチだな、と思える部分もあったので、がっちりサスペンスを撮ろう、と思って作ってないのかもしれません。
派手だけどぱーっと消費されて後に残らない作品、という印象を受けました。
良くも悪くも。