アポロの歌

1970年初出 手塚治虫

異色の性教育漫画、などと言われたりしてますが、そんなご大層なものでもなし。

多分後づけで誰かが言ったんでしょうね。

愛情に恵まれない子供時代を送り、屈折した青年になってしまった主人公が、何故か人知を超越した存在の力で「罰だ」とばかり、時空を超えて何度も悲恋を繰り返す、というストーリー。

なにやら微妙に仏教的な懲罰思想が作品の根底に流れてるような気もしますが、結局のところ何が描きたかったのかよくわからない、ってのが正直なところですね。

SF的展開を見せたり、スポコン風になったりと、落ち着きのないまま救いなく物語は終焉。

先生の暗澹たる心理状態を反映したかのような荒んだ作品、といった印象。

色々と苦悩なさってたのかもしれません。

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