SPL 狼たちの処刑台

SPL 狼たちの処刑台

香港 2017
監督 ウィルソン・イップ
脚本 ジル・レオン、ニック・チェク

SPL/狼よ静かに死ね(2005)を1作目、ドラゴン×マッハ!(2015)を2作目と数えての同タイトル三作目。

基本、このシリーズって、お話が全くつながっておらず、それぞれが独立してるんで、前作を追う必要とか全く無いんですが、なぜか同じ役者が続けて出演する傾向にあります。

2作目はウー・ジンとサイモン・ヤム、本作ではトニー・ジャー。

もちろんキャラ設定は全く違うんですけどね。

SPLってタイトルにつけときゃ客が呼べる!という算段でおそらく連作してるんでしょうけど、なんせ1作目と2作目は香港映画の新時代を切り開いたと言っても過言ではない凄まじいアクションシーンでファンの度肝をぬいてますから。

もう細かいことはどうでもいいと。

今回はいったいどんな超絶格闘シーンを見せつけてくれるのか、期待はその1点のみ。

しかも監督はイップマンシリーズのウィルソン・イップが1作目から12年を経過しての再登板だ。

こりゃドラマも多少は期待できるかな、ってなもの。

さらにはアクション監督にサモ・ハン・キンポー。

つまらなくなるはずがないわけである。

ところがあなた、これがどうしたことか、どこで何を間違えたのか?

やべえ・・・ってなぐらいにおもしろくないんですな、これまた。

特にシナリオの陳腐さたるや、何十年似たようなことやってんだ!と拳がわなわな震えてくるレベル。

ほんと香港の監督は信用ならんな!と八つ当たり気味に吐き捨てたりする私だったりするんですが、まあいい、それは許せなくはない。

香港映画の場合、ストーリーに過度な期待をしちゃいけないのは昨日今日に始まったことではないですし。

アクションシーンだよ、アクションシーン、それさえすごけりゃ元とれるし、と思い直し、辛抱に辛抱を重ね見進めていったら、なんと看板たるトニー・ジャーが途中で退場ときた。

マジか・・・と目が点。

えっ、このあと誰を追えばいいの?とあたふたしてたら、どうも主役はルイス・クーとかいうおっさんらしいことが判明。

香港では人気ある役者さんらしいですけど、いやいやちょっと待って、この人アクション俳優じゃないよね?って。

しかも40代後半。

そんな非本格派の無理矢理な背伸びを、クライマックスの格闘シーンとして看板にするわけ?と唖然。

えっ、なにか特別な隠し芸でもあるの?と、激しく動揺しながら目を皿にして見守ったわけですが、ああ、やっぱり動きが鈍いよ、ルイス・・・。

トニー・ジャーの半分程度しか動けてねえじゃねえかよ!って。

あえて言う、消化試合なのか?!これ!

なんだかもう、何度も制作危機に直面して、監督も代わりまくって、ようやく完成にこぎつけたツギハギの作品を見てるかのような錯覚に陥った一作でございました。

アクションで魅せられないなら銃撃戦にするとか、他にやりようはいくらでもあったじゃないかよ!とひどく落胆。

唯一すごかったのは中盤でトニー・ジャーが、ビルの屋上にてムエタイ炸裂させてるシーンのみ、でしたね。

重力を無視するように見せかけて、ギリギリで遠心力が働くように演出した空中浮遊シーンは手のひらにじっとりと汗がにじみました。

でもほんとそこだけ。

とりあえずトニー・ジャーとルイス・クーを並列にならべて達人クラスの強さ、とした段階で強さのバロメーターがおかしくなってるし、到底納得できる絵じゃないわけです。

この布陣でこの有様、ってんだからほんと香港アクションといえど、映画製作は魔物だと思う次第。

みんながSPLシリーズに期待するものをことごとく裏切った凡作でしょうね。

せめてマックス・チャンが前作に続き出演してくれてたらまだなんとかなってた気もするんですが、イップマン外伝マスターZと撮影がかぶったのかなあ・・・知らないけど。

嫌な疲労感でぐったりした私です。

もう寝る、うん。

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