スキップ・トレース

スキップ・トレース

アメリカ/中国/香港 2016
監督 レニー・ハーリン
原案 ジェイ・ロンジーノ

正直なところ、今更ジャッキー・チェンに期待するもの、ってなにもなかったりはするわけです。

全盛期の頃のファンのニーズに答えて、延々新作の名を借りたリバイバル上映をやってるようなものですしね。

スタローンのような知略や戦略があるならまだしも、若い頃と似たようなアクション映画に、似たような役柄で、未だ出続けているような状態ですから。

辛辣なことを言うなら、そこにあるのは、かつてのように動けなくなった初老の男性の痛々しい自己模倣でしかない。

なにも新しいものはないし、企画自体がジャッキーファン以外になんら訴えかけようとしてないわけですし。

周りにいいブレーンが居ないのか、本人の人が良すぎるのかはわかりませんが、やっぱり本気でアクション引退するつもりならこういう映画は出ちゃダメだと思うんですよね。

誰もジャッキーに演技派俳優なポジションは期待していないのを承知の上でですよ、64歳なりのキャスティング、ってあると思うんですよ。

なのにラッシュアワーの2番煎じのようなバディ・ムービーに刑事役で出ちゃうんだから、ほんとため息しか出てこない。

なら、なんでお前はそんな作品をわざわざ見てるんだ、って話なんですが、これ、ひとえにレニー・ハーリンが監督してるから、に他なりません。

ひょっとしてレニーなら、ジャッキーの手垢にまみれた役どころを違った角度から料理してくれるんじゃないか?と思ったんですよね。

ジャッキーの不幸は、行き当たりばったりで計画性のない香港映画のセオリーに囚われたまま抜け出せないことにもあるわけですから。

で、結果的にどうだったかなんですが、恐るべし香港、のただ一言でしたね。

中国資本のゴリ押しがあったのか、ジャッキーのアクションチームの影響が強かったのか、その内実はわかりませんが、レニーをもってしてもジャッキーはいつものジャッキーでございました。

隙だらけのシナリオといい、適度なコミカルさといい、オチの読める展開といい、雑な演出といい、いつもの香港映画じゃねえかよ!って。

エンドロールのNG集までいつもと同じ、ときた。

もう、なにも言うことはないですね。

多分彼は70歳になっても窓をぶち破って野外に転げ出たりしてるんだと思う。

10年後ぐらいにまた会いましょう、って感じでしょうか。

10年ほど経てば、1周してまた楽しめるようになってるかもしれない。

ジャッキーの功績や、動ける肉体を維持するためのたゆまぬ鍛錬をくさすつもりは全くないんですが、私が楽しめるものはここにはなかったですね。

唯一目を引いたのは、ロシアから香港へ向かう途中で撮影された中国の悠久たる大自然を納めたショットの数々。

ジャッキーとジョニー・ノックスヴィルがとんでもない規模の棚田をトボトボ歩くシーンとか、ちょっと見たことないな、と思わせる絵でした。

これは外国人監督ならではの目線でしょうね。

そういう切り口から全く別物に仕上げることも、やりようによっちゃああった気もするんですが、うーん、ジャッキーが動ける内は無理か。

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