アメリカ 2016
監督 ウォルター・ヒル
脚本 ウォルター・ヒル、デニス・ハミル
マッドドクターに、女性へと強制的に性転換手術された殺し屋の復讐を描いた作品。
まあ、深く考えるまでもなくアホです。
何が?ってプロットそのものが。
エクスプロイテーションか、はたまた70年代のロジャー・コーマンか、ってなネタを今更真剣に見れるはずもなく。
適当にお色気路線で笑わせてくれるんですよね?じゃなきゃ今どきこんな映画撮る意味ないですもんね?そうですよね?と視聴に望んだわけですが、ああ、ウォルター・ヒル。
じいさん、あんたはなにもわかっちゃいない。
あのね、真面目にやってどうする。
誰が女体落ちした男のハードボイルドタッチな復讐劇をじっくり見たいというのだ。
何に共感すればいいわけ?何を楽しめばいいわけ?
とりあえず序盤のシーンで、いきなり主演のミシェル・ロドリゲスが付け髭男装で登場してきたのには腰がくだけた。
CG全盛のご時世にこれを「男です」と言い張るつもりかと。
どう見てもオナベやんか、と。
コントか、と。
中盤以降の展開も「女性化した」という設定を全く活かしきれていない上に杜撰で。
なぜマッドドクターの尋問シーンに長々と尺を割くのかも疑問なんですが、性別が変わったことに対する逡巡や戸惑い、それが殺し屋という職業にどう影響してくるのか等、何も考えてなかったのか?と言いたくなるぐらい、なんの演出もなくて。
女性化しても普通に凄腕だし。
しかもなぜ凄腕なのか、そこになんの説得力も存在しないままただ凄腕だし。
女性化という設定、まるで必要ねえじゃねえかよ、と。
そもそもね、マッドドクターがなぜ男を女に改造したのか、という点に説得力をもたせようとしている段階ですでに勘が狂ってるし、女性化した主人公でどう遊ぶか、ってことを欠片も念頭に置いてない時点で全くお話にならないですよね。
クソ映画ですね、申し訳ないですけど。
ロバート・ロドリゲスにでもメガホン握らせりゃあよかったんだ。
一人二役でヌードも厭わず頑張ったミシェル・ロドリゲスが哀れでなりません。