エンド・オブ・ウォッチ

アメリカ 2012
監督、脚本 デヴィッド・エアー

エンド・オブ・ウォッチ

アメリカ国内でもっとも危険な街といわれるLAのサウスセントラル地区で警官を務める2人のコンビを描いた作品。

バディもの?と思う人もいるかもしれませんが、まあ大きく間違ってはいないにせよ、あえて身も蓋もない言い方をしちゃうなら、時々地上波で思い出したようにやってる「密着!警察24時」とかあの手の特番、そのまま。

もう、みんな言ってるんでしょうけど。

全編そうだというわけではないんですが、半分以上がPOVのブレまくる映像だということと、ドラマ性よりリアリズム、臨場感に重きをおいている点が、よりテレビの特番感を加速している、とでもいいましょうか。

これが日本人ならではの感覚なのかどうかはわかりません。

ただ、どっちともとれる煮え切らなさはやっぱりある、と思うんですよね。

POVにするなら徹底してPOVにするべきだった、と思いますし。

途中で固定カメラの映像に切り替わるとちょっと戸惑ってしまう、というのはあった。

シナリオがあってないような感じでストーリーが進行し、大半が仕事と家庭の日常を淡々と描写、というのも私は正直退屈だった。

ドキュメンタリーを模した創作がダメだというわけではないんですが、映画であるならですね、ドキュメンタリー風に見せかけておきつつも、そこに核心を突きつける脚色なり創意がないと、模倣する意味自体が喪失してしまう、と思うわけです。

つまりは、特に見せ場のないダメなドキュメンタリーと紙一重になっちゃってるんですね。

エンディングはそれなりにショッキングなんですが、プロセスに序盤からの連続性が感じられないのでどこかとってつけたよう。

これもドキュメントにこだわった弊害か。

結局伝わったのは、ああ、本当に怖い街なんだなあLAって、ってことだけで、いやまて、それって映画の感想か?と私は首をひねる有様。

やりたいことはわかるんですが、それを緻密な脚本と演出、こだわりのカメラワークで見せてこそ多くが伝わるのでは、と思う次第。

私には合わない作品でしたね。

ジェイク・ギレンホールの警官役がかっこよかっただけに残念。

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