2012 アメリカ
監督 バリー・レヴィンソン
脚本 マイケル・ウォラック
パンデミックの恐怖を描いたパニックスリラー。
ドキュメンタリータッチでPOV方式を織り交ぜながら物語は進行していくんですが、この作品の最大の失敗は主人公不在の群像劇風にしてしまったことでしょうね。
多分、それがリアリズムの喚起につながる、とする監督の読みはわかるんです。
でもこの手のパニックスリラー自体がたいして目新しくもない現在、 どこに感情移入していいかわからないまま手持ちカメラの落ち着かないカットを入れ替わり立ち代わり延々見せられてもですね、なんか疲れちゃうだけなんですよね。
クローバーフィールドが私、ダメだった人なんで、やっぱりPOVは限られたエリア、閉鎖空間じゃないとその効果は観客に伝わりにくいのでは、とどうしても思ってしまう。
結局、集団大量死の原因はなんだったのか、その謎解きも陳腐だったように思います。
原発の汚染水もれと鶏のホルモン剤って、ネタ的に80年代だと思うんです。
この手のジャンルには優れた作品が大量にあるだけに、色々難しい、というのはあると思います。
果敢なチャレンジには敬意を表しつつも、多分もう1ヵ月後にはほとんど覚えていない、と思われる残念な一作でしたね。