ドラゴン・タトゥーの女

アメリカ 2011
監督 デヴィッド・フィンチャー
原作 スティーグ・ラーソン

ドラゴン・タトゥーの女

2009年スウェーデンで映画化された「ミレニアム1 ドラゴンタトゥーの女」をハリウッドで再映画化。

スウェーデン版の方は私は見てないんですが、あえて見るほどのこともないのでは、と思える力作でさすがフィンチャー、と感心。

やっぱりこの監督はサスペンスやスリラーで俄然実力を発揮してきますね。

よくぞここまで長丁場のややこしい物語を破綻なくきっちりまとめたものだと思う。

シナリオも原作が大ヒットしただけはあって実によく出来てます。

私は完全に騙されましたね。

あっ、と言わされた。

まさかお前が・・・ってなもんです。

ちゃんと仄かな救いがあるのもいい。

どんでん返しに執着するだけじゃなく、きちんとドラマがあるんですね。

ここ、本当に大事だと思うんです。

ダニエル・クレイグの記者役も思った以上に違和感がなかったですし、ルーニー・マーラの役作りも見事でした。

158分、最後まで退屈しないことは間違いなし。

ただ、構成、と言う意味では若干戸惑わされたりはしましたね。

何故かミカエルとリスベットのストーリーが交互に進んでいって中盤で交錯する、という形なんですね。

続編を想定していた、ということと、リスベット主役の連作である、という裏事情を知らないと、幾分違和感を感じるかもしれません。

なんでこんな視点がブレるようなことするんだろ、と最初私は思ったんですが、後から製作側の意図を知って納得。

個人的にはリスベットも含めての群像劇みたいな感じで、ミステリ部分に重心を置いてサクッと終わらせた方がより締まりのある名作になったのでは、と思うんですが、まあここは好みかもしれません。

続編への布石であることは重々承知してはいるんですが、エンディングがね、私にはちょっと蛇足に感じられたんですよね。

余韻をかき消してしまう、というか。

小うるさいファン過ぎますかね、私。

良質の一品である事は間違いありません。

フィンチャーの技巧を堪能できる大作。

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