アメリカ 1987
監督 サム・ライミ
脚本 サム・ライミ、スコット・スピーゲル
「2」ですんで続編かな、と思いがちですが、やってることは設定と舞台を同じくしたリテイクみたいなもの。
前作の登場人物は誰一人登場せず、新たに山荘を訪れた人間に襲いかかる惨劇が同じパターンで描かれてます。
スプラッターでグロな描写は前作より控え目。
じゃあその代わりになにが売りなのか、というとこれが実は「笑い」だったりするんです。
まさかこういう方向に駒を進めてくるとは、と驚かされましたね。
また主演のブルース・キャンベルが芸達者で。
この手の作品で、キートンかはたまたチャップリンか、ってな体をはった芸を見せつけられるとは思わなかった。
特に終盤の展開なんてばかばかしくて思わず吹き出してしまいます。
右手に電ノコを装備し、銃を背負ったアッシュの姿はどこの世界のランボーなんだよ、って感じでその確信犯ぶりに腹筋崩壊。
エンディングでの着地点も意外性たっぷりでお見事だったと思う。
えてしてこの手のホラーは続編となると、血しぶき50%アップとか、ブリザードのごとく肉片舞い散らせてますとか残虐描写をエスカレートさせることばかりに腐心しがちですが、サム・ライミは完全に裏切ってきましたね。
続編2作目で早々と定石崩しに挑んでくるのはさすがだと思います。
しかも作品自体の技術的完成度も上げてきた、ときてる。
前作に惚れこんだ熱心なスプラッターファンからは不評かもしれませんが、私はこういう「同じ事を二度やらない」創作姿勢は大好きですね。
ホラー?SF?コメディの傑作だと思います。
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