2009年初出 伊藤静
講談社モーニングKC 1～2巻（全6巻）
「福助」の路線そのままに、相変わらず心優しき人たちの性善説に基づいた物語、といった印象。
今回の題材はコロポックル。
厳密に言うとコロポックルではないのですが、かの伝承のように、まあ人と小人たちの共生を描いた話、と解釈してほぼ問題ない、と思います。
物語のエンディングで小人は小人であることから救われるのかな、と思ったりもしたんですが、すいません、そこまで読もうと言う気になれませんでした。
とてもファンタジックで一部の人たちからは大きく支持を得そうであるんですが、なんだかね、昔の童話みたい、とでもいいますか。
どうあれ、この路線は何かと厳しい、と私は思いますね。
よほどの才覚がないと広く認知されるにはいたらないのでは、と。
漫画に限らず、すごい人たちがいっぱい居ますしね、このジャンルは。
きっと作者は生真面目で情熱的な人なんでしょうけど、あえてそこを踏み外して多角的なアプローチを、と思う次第。
地力は高いように感じるんで、なにか発想の転換さえあればもっと大化けするはず。
これが悪い、って話じゃないんですけどね。
