ウルトラヴァイオレット

アメリカ 2006
監督、脚本 カート・ウィマー

ウルトラヴァイオレット

監督が同じだからってリベリオンを期待すると大きく裏切られてしまう作品。

やってることはそう変わりないんです。

アクションに主眼を置いた近未来もので、今回は女性が主役、というだけ。

多くの人の賞賛を浴びたガン=カタのさらなる上を行かんと、色んなアイディアを盛り込んだアクションをひねり出す姿勢は素晴らしい、と思いますし、幾分ミラの体さばきにバタついた鈍さを感じはするものの、その手のシーンでは一定のクオリティをキープしているのも評価していいと思う。

ただですね、問題は絵作りなんですね。

アメコミ風にしたかったんだと思いますが、もうCGがプレステ2レベルで。

普通の会話シーンですら、妙にピンボケ風のソフトフォーカスなのも意図が汲み取れず安っぽさを助長。

きっとシン・シティみたいにしたかったんだろうなあ、と思うんです。

それはわかる。

それはわかるが方向性が間違ってる。

やっぱりこれはセンスがない、としかいいようがないですね。

リベリオンであんなクールな絵を撮った人がなぜこんなことをやらかしちゃうのかほんと理解に苦しみます。

ファージと人間の対立構造にしたって、そもそもファージがいったいどういう生き物なのかよくわからないもんだからさっぱり盛り上がりませんし。

物語の構造から考えるなら、母性をテーマとすべきはずなのに、そこが結構適当にしか触れられていないのも難点。

うーん、失敗作でしょうね。

やろうとしていることは好きなんで、懲りずにまたがんばって欲しいんですが、この作品以降メガホンはとっていないようで残念。

脚本家におさまってしまうには惜しい器だと思うのは私だけでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました