亜人ちゃんは語りたい

2014年初出 ペトス
講談社ヤンマガKC 1巻(以降続巻)

亜人、というくくりで、世界の伝承や神話に生きる妖怪だの魔物だのを一堂に集め、女子高生として学園生活を送らせたファンタジックなコメディ。

私の説明だけ読んでるとなんの新鮮味もない感じですが、これが意外におもしろくて買った本人がびっくり。

でも実際プロットはですね、ことさら特筆すべきものはない、と思うんですよ。

作者が巧みだったのはこの設定をどう料理するか、という部分で思わぬ変化球を投げてきた点。

亜人が普通に人間に混じって学園生活を送るためには何に留意して、何を自身に戒めるべきか、というのを、会話劇、1人語りの形でもっともらしく思弁してみせたんですね。

そこから派生して産み出されたドラマも最初の作り込みがしっかりしてるから妙に説得力があって、膝を打つものがある。

ああ、まだこんなやり方があったんだなあ、と素直に感心しました。

安直なドタバタコメディに落とし込んでないんですよね。

さてこのまま色んな亜人がどんどん増えていくのか、それとも固定メンバーでさらなるドラマが繰り広げられていくのか、続巻に期待ですね。

話題になるのも納得の一冊。

タイトルとURLをコピーしました