銀河鉄道999(エターナル編)

1996年初出 松本零士
小学館ビッグコミックスゴールド 15~21巻

当時発行部数の低迷していた小学館の漫画月刊誌、ビッグゴールドの起死回生の策として大々的に新連載が発表されたのが本作。

ファンの間でエターナル編と呼ばれる999の続編です。

1~14巻までは少年画報社から発売になっていた全18巻と内容が重複しており、新作は15巻から。

しかしながら999の第2部ですらゴールドの部数を飛躍的にのばす事はかなわず、99年、ゴールドは休刊。

それに伴い999第2部も未完のまま中断。

一時期はWEBで細々と連載が続いていたようですが、現在はそれも終了。

もちろん完結しておりません。

当時、999の第2部の連載にともない、第2次松本アニメブームと呼ばれるものが到来しており、本作はもとより、いくつかの作品が10数年ぶりにテレビ画面をにぎわせたんですが、それも昔のファンを再動員しただけで早々と終息。

だだアニメ化のあれこれが本作にあまりよろしくない影響を及ぼしているのは確かで、同時進行中のアニメ作品と漫画作品との間でお話の辻褄が合うようにと作者が腐心したため、アニメを見てない人間にはよくわからない取り繕いが目立ち、どこか焦点の定まらない内容になってしまってます。

だいたいエメラルダスとメーテルが姉妹で、1000年女王の雪野弥生もなんかつながりがある、っていう設定自体が無茶苦茶なんですよね。

毎回毎回やたらハーロックだのエメラルダスだのヤマトだのまほろばだの出てくるのにも興ざめ。

ほとんど出オチ状態。

そんなに暇なのか宇宙海賊は、って感じで。

かつての999に比べてやたら鉄郎が激情的になったなあ、とか、もう暑苦しいまでに松本イズムに拍車がかかっててストップが効かないとか、あまり好ましくない変化もあり、最終的には21巻で銀河鉄道を統べる新キャラ、ジュラが登場、話が完全に別の方向にシフトした段階で、ああ、こりゃもう風呂敷広げすぎだ、とため息ひとつ。

多分、もう続きが描かれることはないんでしょう。

というか、描けないと思う。

あの999の続編、という事でニーベルングの指環(1990~)以降、新作を読んでなかったにもかかわらず手にとった本書ですが、思い出はそのままにしておいたほうが良かった、と肩を落とした一作。

コメント

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