2024 アメリカ
監督 ブライアン・テイラー
脚本 ブライアン・テイラー、マイク・ミニョーラ、クリストファー・ゴールデン

器はヘルボーイだが、肝心の中身がヘルボーイにあらず
1957年のアメリカ、アラパチアの寒村を舞台に、ヘルボーイの若かりし頃を描いたシリーズ第4弾。
ありゃ?なんだか初期2作や5年前の前作とは肌合いが違うな、って。
そりゃ今回、主人公が前作デヴィッド・ハーバーからジャック・ケシーにバトンタッチしてますし、監督も違うんで、作風が異なって当たり前なのかもしれませんが、なんだかね、らしくない、って感じる部分が多くて。
え?私だけ?
デル・トロ版のヘルボーイ像が脳裏に染み付いちゃってるせいもあるのかもしれませんが、なんか地味というか、キャラの影が薄くなってないか?と。
いわゆるオカルトミステリっぽい仕立てにしたかったんだろうなあ、ってのはわかります。
山奥の寒村で魔女といういかにもな舞台設定が連想させるもの、って、相応に絞られてくると思いますしね。
きっと外部と連絡取れなくて、孤立無援で、おかしな因習があって、まごまごしてたらさらに泥沼で、・・・みたいな感じなんだろうなあ、と思ってたらその通りでしたしね。
ま、それはいい。
その手の謎が謎を呼ぶ不気味な演出は悪くなかったです。
明度が低く暗い色調の映像も雰囲気を盛り立ててた。
ただ問題は、そんなホラータッチな作劇、シナリオ展開に、ヘルボーイがさっぱり馴染んでないように見えたこと。
だってね、ヘルボーイっていうなれば地獄の皇太子みたいなもんですしね。
出生の秘密は明かされてませんが、いずれ世界を滅ぼす存在になる、とまで予言されてるモンスターですよ?
そこまでの大物が、なんで今更チンケな魔女や一兵卒の悪魔ごときに振り回されてんだよ、って話で。
そもそもが色んなトラブルを力ずくで解決してきたダークヒーローですから。
どう考えたってホームズ役もワトソン役も似合わない。
いうなれば、ヨーロピアンな湿度高めの陰鬱なホラーにジェイソン・ステイサム放り込むようなもんですよ。
見てる側は何を期待すりゃいいの?って。
また物語のテンポの悪さがねえ、ただただまどろっこしく映ってしまって。
いや、これがヘルボーイじゃなければこのテンポでもよかったと思う。
仮にもヘルボーイに期待されるもの、って絶対コレじゃないですから。
もうね、やらせることなさ過ぎて、ひたすらタバコすってるだけですからねヘルボーイ、主人公なのに。
手持無沙汰を観客に悟らせてどうすんだ、って。
原作では高い人気を誇るエピソードらしいんですが、少なくとも映像においては盛大にスベってるように感じました。
物語とキャラのミスマッチ、その一言ですね。
やっぱね、あんまり原作者を関わらせすぎるのも良くないと私は思いますね。
コミックと動画って、似て非なるものだと思いますし。
漫画家が監督として成功した例、って今敏以外でみたことないですからね。
原作者が猛批判してる映画ほど逆に面白かったりする。
4作目にして、最も低調、残念ながらそれが実際かと。
ねじレート 52/100

