2024 アメリカ
監督 マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット
脚本 スティーブン・シールズ、ガイ・ビューシック

全力でネタバレする惹句に呆れかえる
さて、この作品のなにが駄目だったのか?ないしは、何をしくじってたのか?を遡って考えると、ティザービジュアルじゃね?とたった今思った次第。
「誘拐した少女がヴァンパイアだった・・・」って、全部言っちゃってるじゃねえかよ、って。
それこそがこの映画の肝だというのに、早々にネタバラシされてしまっては、驚きも意外性も出がらしの番茶より薄味になる始末。
弱者でしかないか弱き少女がね、いきなり豹変して細腕で大人を縊り殺すからこそ「なんじゃこれ!」と腰抜かすんであってね、・・あー、まだ弱いふりしてんの?早く本性晒せよ、と待ちくたびれてる状態では全く印象が変わってくるわけだ。
よくあることですけどね、ユニバーサルは何考えてるんでしょうね?
いや、ユニバーサルじゃなくて国内の配給元の仕業なのかなあ、わからん。
ともあれ、台無しなわけです。
なんなんだろこの女の子、胸元が真っ赤だけど・・・と観客が想像を巡らせる楽しみをハナから刈り取っちゃってるわけだ。
もうこの時点で作品の魅力は半減ですよ。
ただね、少女がヴァンパイアだった、とバレただけで面白味がなくなる本作の仕上がり自体も、どうなのか?って話であって。
シナリオがペラペラ過ぎんか?と思ったりするわけです。
結局、少女=ヴァンパイアというキャラ属性のみで乗り切ろうとしてるのが貧弱なんですよね。
ヴァンパイア少女というキャラを駒として主筋は別に展開する、ぐらいの物語の密度がないと結局出オチと同じになっちゃうんですよね。
特に誘拐事件の真相すらヴァンパイア少女絡みだったのが興ざめで。
意味なくバレエ踊るキャラ付けとか、昔のダリオ・アルジェントやデ・パルマみたいで悪くはなかったし(ミーガン意識したのかもしれないけど)少女役のアリーシャ・ウィアーが迫真の演技で、すごいなこの子、と思ったりしたんですけど、うーん、色々足りてない。
中盤ぐらいまでの犯罪映画っぽい進行はそれなりにスリルがあって楽しめたんですが、ネタバレ抱えて最後まで一緒に伴走できなかった、って感じですかね。
裸に剥いてしまえば実は普通に吸血鬼ものでしかないのが最大の難点かと。
だめだ、あんまりおすすめできんな、こりゃ。
ねじレート 51/100

