べっちんとまんだら

2008年初出 松本次郎
太田出版 F/Xコミックス

今はなきマンガ・エロティクス・エフに連載されていたダーク・ファンタジー?

掲載誌が掲載誌なんで普通にあちこちがエロい内容なんですが、松本次郎の場合、掲載誌云々関係なしに普段から好き勝手にエロかったりもするんでエロを無理強いされてるような印象はないです。

それがいいのか悪いのかは別として。

作風といえば作風なんでしょうけど、もう本当にこの人はこの頃からゲスくて。

品がないとか露悪的とかじゃなくて、きっとゲスなんだと思いますね、表現が。

なんだろ、女の子を描くのは多分大好きなんだろうなあ、と思うんですよ。

ただ、彼の作品にはほぼまともな女の子は出てこない。

壊れてるかぶっ飛んでるかのいずれか(とにかく頭が悪い)で、みんながみんなこれでもかと狂態をさらして社会からどんどん疎外されていくものだから。

女の子が大好きなのと同時にひどく憎んでもいるのかもしれませんね、作者は。

でないとここまでクソミソな扱いはしないじゃないか?という。

女子高生に幻想抱いてる人なんかは100%拒絶反応が出るでしょうね。

けどそんな強烈に頭の悪い女の子が、予測不能に物語をかき回していくのが不思議に面白かったりもして。

これはやっぱり女子のキャラづくりが「うまい」ってことなのかもしれんなあ、と思ったり。

描かれてる女子のジャンルが特殊過ぎる気もしますけどね。

本作の場合、とかく基本設定が甘いもんだから「余白」にうまく主人公女子のキャラがはまった、ということなのかもしれない。

なんせね、河川敷に集まる杉並区民の魂を管理する仕事にちょっと関わってる女子高生、という役柄ですからね主人公。

もうね、半ばギャグみたいな思いつきを補完する気も説明する気も作者にはないものだから、適当すぎてどう受け止めていいのかわかんない部分もあって。

バグが起こって、河川敷に死体が降ってくる回とかもあるんですよ。

それが夜中にゾンビ化したり。

だからバグってなんなんだよ、って。

ゾンビとか、完全にその場しのぎですしね。

今盛り上がりゃそれでいいや、みたいな。

主人公べっちんと友人まんだらのキャラありき、の物語なのは確か。

なんで河川敷なのか?とか、魂が集まる世界のシステムはどうなってるのか?とか気にしだしたらもうアウト。

ホント見事に松本次郎らしい脇の甘さで適当さだな、と。

ただ、そんないい加減な物語も、それなりに最終回は不思議な哀愁を帯びていたりもして。

こういうことをやっちゃうずるさが小憎らしい。

広く支持される一作ではないと思いますが、作者の特異点が存分に堪能できる一冊ではあるな、と思いました。

ぶっちゃけひでえマンガだな、と思うんだけど、なんか捨てられないんだよなあ。

カルトといえばカルトなのかもしれません。

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