ドロロンえん魔くん

1973年初出 永井豪
角川書店

テレビアニメの企画が先行した上で漫画化を依頼されたのか、まず原作漫画ありきなのか、そのあたりは不明なんですが、読後の印象としてはどうもタイアップっぽい、ってな感じ。

なんだかユルさがマジンガーZやキューティーハニーと似てるんですね。

基本アニメと協調路線なんですが、回を重ねれば重ねるほどお色気コメディ風にお茶を濁しだす流れも2作品と同じ。

アニメは正義感溢れるえん魔くんが妖怪退治に精を出す正統派のオカルト勧善懲悪ものでしたが、漫画に同じものを期待するとしっぺ返しをくらうかも。

ヒロインの雪子姫を脱がせてナンボ、みたいな、作者お得意の艶笑パターンがほとんどなんで、少年時代の思い入れはいったん横に置いて読んだほうがいいです。

永井豪のナンセンスギャグが好きな人は楽しめるかと思いますが、基本それ以上でもそれ以下でもなく、やはり熱心なファン向けかと。

地獄世界が隣接する舞台として設定されてるので、作者が本気でシリアスに描けばもっと評価も高まったのでは、という気もしなくはないんですが、まあこればっかりは今更いかんともしがたい話ではありますね。

作者自身の手によるスピンオフ作品がいくつかありますが、私が斜め読みした感じではそれも特にどうということはなし、というのが本音。

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