わたしは生きていける

わたしは生きていける

イギリス 2013
監督 ケヴィン・マクドナルド
原作 メグ・ゾーロフ

わたしは生きていける

作品の原題はHow I live nowで、確かに直訳すると「わたしは生きていける」なわけですが、もうちょっと何とかならなかったのか、と。

教科書並みに固い、と感じるのは私だけでしょうか。

「アイアムレジェンド」とか「ザ・ロード」とか、最近で言えば「ワールドウォーZ」とか、あの系列の映画かな、と最初は思ったんですが、うーん、あたらずとも遠からじ、といったところでしょうか。

とりあえず、思春期をこじらせて反抗期真っ盛りな16歳の少女が、核によるテロに巻き込まれて戒厳令下のイギリスで強制的に隔離される、という展開はそれなりに期待させるものがありました。

特に序盤、突風と降り積もる灰だけで核爆発を示唆したシーンは非常に秀逸だった、と思います。

漠然とした不安感を見事絵にしていた、と思います。

ただですね、この作品、それ以降の筋立てがどこかルーズなんです。

デティールを詰め切れていない、というか。

イギリスで大規模なテロがあった場合、社会はどうなるのか、という部分をきちんと検証しきれていないように私には思えました。

16歳の少女が子供を連れて水もなしに徒歩で自宅に帰ろうとするシナリオ進行も、そんな行き当たりばったりなサバイバルはどう考えても無理だろう、と思えるものでしたし。

あとでまとめて補完するつもりなのかな、と思ってたんですが、なにもフォローされることなく物語は終盤へ。

ひょっとすると原作をなんとか尺におさめようとあれこれ肝心な部分を省いちゃったのかもしれません。

まあでも私が一番がっくり来たのはエンディングですかね。

これだけ風呂敷を広げておきながらですね、たかが16歳の小娘の盲目的な色恋でね、全部まとめちゃおうとするんです、監督は。

スケールの大きさの割にはあまりに落とし所が少女マンガ的。

少女の意識の変容を恋愛を絡めずに描けていたらもっと高いグレードで勝負できたか、と思われますが、これではイギリスを大混乱に陥れたテロですらラブロマンスの刺し身のつま、でしかありません。

原作はどうだったのか、ちょっと気になるところですね。

こちらが原作。

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