アメリカ 2017
監督 ザック・スナイダー
原案 ザック・スナイダー、クリス・テリオ
まあ、シンプルに善と悪の戦いを集団競技的に描きました、みたいなところでしょうか。
私は前話にあたる「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」を見てないんで、細かいあらすじはわからないんですけど、ま、見てなくてもほぼ大丈夫です。
やってることはヒーロー大集合、夢の共演DCコミック祭りみたいなものですし。
適当に反目しあって、最後には一丸となるストーリー進行もおなじみのパターン。
まあ、こういう作品にあれこれツッコミをいれるのも野暮だしなあ、というのはわかってるんですけどね、それだともう書くことが何もなくなってしまうんで、あえて筆を進めるならですね、なんかもう悪い意味で神話的だな、ってのはありましたね。
物語世界のバックボーンとか現実味とかもうどうでもいいんでよね。
なんでもいいから強敵をでっちあげとけ、みたいな。
世界の危機で大変!と煽っときゃいいんだよ、それでなんとかなるんだよ、的な。
そりゃ、ところどころに見せ場はありますよ。
小さなドラマを拾い上げて積み重ねることで、大きな奔流にしようとしてるのはよくわかる。
でもやっぱりネームバリューありきの、内容の薄っぺらさはどうしたって否めない。
だってね、ノーラン監督のダークナイトであり、先行するマーベルのアベンジャーズを我々はもう見ちゃってるわけですから。
ダークナイトにしびれた身からすりゃ、本作のバットマンなんて見るに値しないですよ、ひどすぎて。
ヒーローのあり方を思弁しようとすらする、アベンジャーズに肉薄してるとも言い難いですし。
うお、スーパーマン無双!フラッシュ、クソ早えええ!ってな見方しかできないですよね、やっぱり。
キャラを楽しむ映画、でしょうか。
それ以上でも、それ以下でもなし。
娯楽作としては正しい、と思いますが、マーベルがハードル上げ過ぎちゃったせいもあって、記憶に残る一作とまでにはならなかったように思います。
余談ですが、この作品の隠れた主人公は間違いなくワンダー・ウーマンでしょうね。
ガル・ガドットのスター性は増すばかりだなあ、とつくづく思いました。
悪漢どもをきっては投げるワンダー・ウーマンがやたらかっこよかったのだけが収穫だったかと。