2013年初出 岡田索雲
小学館ビッグコミックス 1巻(全4巻)
もし鬼の一族が人間そっくりの姿で社会に紛れ込んでいたら、という設定のコメディ。
主役は鬼であることを隠して学園生活を送る中学生の兄弟。
人とは違う生態を持つ彼らが、どのように人間社会と折り合いをつけていくのかを、異物でしかない悲哀もまじえて面白おかしく描かれてるんですが、 まあ、やっぱりどこか手垢感はぬぐいきれない、というのはありますね。
人であって人でないものの孤独を描く、って、それこそ数え切れないほどの類似作が存在するわけですし。
笑いに傾斜してる分、新機軸といえなくもないですが、 近年、この手の漫画流行ですしね。
どうしたって「亜人」とか「東京喰種」あたりが脳裏をよぎる。
どちらがより優れてる、って話じゃないんですが、売れまくってる作品と似た題材となると、いかんせん分が悪い、ってのは後発であるがゆえありますよね。
鬼という存在そのものの謎に迫る展開も1巻終盤には待ち受けてて、なかなか興味深いのは確かなんですが、続巻に手を伸ばそうと思えるほどでもない、ってのが正直なところ。
画力と資質を鑑みるに、違う路線の方が広く受け入れられそうな気もします。
悪くはないんですが、今、この題材で若い読者に求められてるのはきっとコメディではないんだろうなと思ったりもしました。