スターライトウーマン

2013年初出 加納梨衣
双葉社アクションコミックス 全2巻

謎の宇宙人の手によって、空飛ぶ怪力女へと肉体を改造された主人公の、逃走の日々を描いたSFコメディ。

なんで逃走してるか?というと、宇宙人どもが「その力を我々の革命運動に役立てろ」と追いかけてくるから。

主人公、星由麻子にしてみりゃ「勝手にアブダクションして肉体いじったばかりか、他所の星で戦闘に参加しろってか?!ふざけんな!」ってな話だったりするわけです。

おかげで星由麻子は特定な場所に居住できないばかりか、安定した職も得られない。

すぐに宇宙人が嗅ぎつけて押し寄せてくるからなんですね。

パワーバランスは圧倒的に主人公のほうが上(戦闘能力が半端ない)なんですが、宇宙人は数にものを言わせて時も場所も選ばないんで、とにかく迷惑きわまりない状態で。

やってることは「もしスーパーウーマンが、自分の力を持て余していたら・・・」に他ならないと思うんですが、アメコミ映画全盛なころに、いや超常能力とか、マジでいらないし、と価値観をひっくりかえしてみせたのは痛快だった、と思いますね。

いわれてみりゃそうかもしれないなあ、なんて。

スーパーヒーローもねえ、ジョーカーとかヴェノムとか強大な敵がいるからこそ「頑張んなきゃ」ってなるわけで、平和日本でタコ足の宇宙人が追いかけてくるだけなんて悲喜劇でしかない。

そりゃ、もうほっといてよ!ってなる。

同じようにアブダクションされたサブキャラとの関わりが物語を展開させていく進行も悪くない。

余計な能力ばかり発現させるんですね、宇宙人。

雑音だらけの他心通だとか、素肌が接着してしまう能力とか。

みんながみんな「元に戻してくれ」と思ってるのが、なんとも可笑しくて。

お笑いだけじゃなく、逃走の日々で出会った人たちとの小さなドラマがあるのも秀逸。

上手に主人公の内面を掘り下げてる、と思いましたし。

驚いたのはラストで、ちょっとしたどんでん返しというか種明かしがあったりするんですよね。

ええっ、お前、そんなことやってたの!みたいな。

もうちょっと連載続けてほしかった、とつくづく思いますね。

リアルタイムで読んでないんで当時の読者の反応がどうだったのかわからないんですが、2巻で終わりとか、なんで?と思う。

これが人気出ないの?とマジで不思議。

うーん、近年の漫画アクションはどういう層が読んでるのか見当つかんしなあ・・・。

デビュー作としては申し分ない力作だと思いますね。

私は好きですね。

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