2013年初出 ひらりん
徳間書店リュウコミックス 上、下
のろい屋しまいシリーズ第3弾。
時系列からすると、のろい屋しまいのあとに「3000年前のはなし」があり「のろい屋ケモノカル」を経て、本作となるようですが、双方とも発表されてません。
作者の構想は壮大だったみたいですね。
どこまで真に受けていいものやらわかんないですけど。
ともあれ、今回の「投獄されていた国が脱走し、大混乱を招く」というプロット自体はおもしろかったと思います。
国を擬人化しちゃうのかよ、みたいな。
それが何か意味を持って物語に影響を及ぼす、ってことはなかったんですけどね。
後から考えるなら「別に国でなくても良かったな」と思えてくるあたりが難点といえば難点。
出オチというか、オープニングの打ち上げ花火みたいな感じになっちゃってるんですよね。
派手な活劇を編集部からは期待されてたのかもしれませんが、想像してた以上に盛り上がらなかった、ってのが実情かと。
やっぱりね、のろい屋姉妹ヨヨとネネ(2011~)の次作に当たる作品ですんで、姉妹の絆に焦点を当てたホームサイズのドラマでもう少しひっぱった方が良かったのでは、と思ったりもするんですね。
それはのろい屋しまい(2006~)でもうやった、と言われるかもしれませんが、こういうのはタイミングと言うか、盛り上がってるうちに再度推すぐらいがちょうどいいと思うんで。
ヨヨとネネの関係性とは別な所でストーリーが変遷していくのが、なんだかスカされたような感触があって。
相変わらずキャラはかわいいし、創造性豊かなんで楽しめることは間違いないんですけど、若干違う方向を向いちゃったかな、と思いますね。
作者の後書きによると、元々はのろい屋ケモノカルの構想を練っていて、連載の準備も進めていたらしいんですが、編集者がこちらへの差し替えを希望したとのこと。
うーん、ケモノカル、読んでみたかった。
姉妹で別の世界を旅する物語だったらしいんですよ。
いやいや、そっちだろ!って。
シークレットはその次だろうよ!と。
現在(2021年)のろい屋しまいシリーズは本作以降、続編が描かれてませんが、またヨヨとネネに会いたい、と熱望してるファンは多いはず。
またどこかで連載してくれないかなあ、と願ってやみません。