アメリカ 2006
監督、脚本 ロブ・ゾンビ

ジョン・カーペンターが手がけた伝説的スラッシャー・ムービー「ハロウィン」を、ロブ・ゾンビがリメイクした「ハロウィン(2007)」の続編。
オリジナルとはまるで違う展開になってるらしいんですが、過去8作ほど作られたハロウィン・オリジナルシリーズがどういうストーリーの変遷を辿ったのか、まるで知らないんで比較はできず。
どちらにしろロブ版ハロウィンとして別物、と考えていいんじゃないかと思います。
前作からして大きく改変されてましたしね。
で、本作、追いすがるブギーマンをあの世に送って、ようやく人心地ついたヒロイン、ローリーの日常を追うところから物語は始まるんですが、この手のホラーの常道とばかり、まずは死んだはずのブギーマンの死体が護送車から消えます。
ああ、やっぱりそうくるのか、と。
わかっちゃいたけど。
また襲われるんですね、と。
そこまではまあ、よしとする。
あんまり良くはないけど、どうしようもなくワンパターンだけど、とりあえずブギーマンに復活してもらわないことにはお話は進まないですし、そこはあえてうんざりする気持ちを飲み込むことにする。
よろしくないのはそこからの展開。
まー、長い。
再び襲われるまでが。
もうね、延々ローリーの妄想とか幻覚をこれでもかと挿入しながら気がついたら軽く1時間越え。
あのね、やられるのはわかってんだからね、奴にもっとテキパキ行動させんかい、と。
なぜ主人公の不安定でPTSDな心の揺れ動きを1時間にも渡って描写せねばならんのか、と。
ああ、特に描くことがないんだなあ、というのがバレバレなんですよね。
これ、言い換えるならシナリオ不在。
ただ同じことを2度繰り返すがためだけに2を作った、と言われても否定できない、最悪のパターン。
やろうと思えばいくらでも物語はふくらませる事ができたと思うんですよ。
例えばローリーに彼氏をあてがう、とか。
なんなら結婚させちゃってもいい。
ローリーを不慮の事故で亡き者にしてしまう、というのも一つの手でしょう。
要はブギーマンのローリーに対する執着をどれだけの落差でもって演出するか、が肝心なのであって、1の延長をダラダラやったところでなんの驚きも新鮮味もないわけです。
正直、途中で寝オチしかけた。
ま、ラストシーンは寒々しい狂気が漂ってて悪くはなかったです。
ブギーマンの心象の内にしか存在しない母親を可視化したのもいいアイディアだったと思う。
けれどこれはやっぱり望まれた続編ではないと思う次第。
デビュー作から大きくはずすことなくコンスタントに良作を作り続けてきたロブ・ゾンビもついに蹴つまづいたか、って感じですね。
彼のホラー愛に対する共感もここがストップ高か。
残念だが凡作。
これが限界なのか、それとも次の一手があるのか、次作に期待したいところ。