恐怖の報酬

1953 フランス
監督、脚本 アンリ=ジョルジュクルーゾー

私は白黒映画ってチャップリンを除いてあんまり見てないんですけど、この作品だけはね、もう色ついてないとか古いとかそういうの全然関係なしで滅茶苦茶おもしろいんで、知らない方がいらっしゃったら是非是非ご覧になってください、と声を大にしてお薦めしたい。

監督はフランスのヒッチコックといわれ、世界三大映画賞を制覇した巨匠アンリジョルジュクルーゾー。

プロットは超単純なんです。

油田の火災を消すために、ニトログリセリンをトラックで現場まで運ぶ、というだけの話。

でもね、これがもう背筋が粟立つような緊張感に溢れたシーンの連続でもう、なにごとかっていうぐらいハラハラしっぱなしなんです。

いっとくけどトイレ行ってるひまなんか全くないぞっ!

というのもね、トラックに積み込まれているニトログリセリンがちょっとした衝撃で爆発するのにもかかわらず、一切安全装置はなし、しかも油田までの道は超悪路で転回できないわ、沼はあるわで、どう考えてもうまくいきそうにないシチュエーションにさらされてるからなんです。

食い詰めた男達の命がけの強行軍。

ああっ、爆発するっ!無理無理やめてやめて!と手に汗握るシーンの絨毯爆撃。

さて、ニトロは無事に運ばれたのか否か。

主演はシャンソン歌手でもあるイブモンタン。

熱演です。

かっこいいです。

観終わった後の虚脱感、半端じゃないです。

これぞ映画!

私の大好きな1本です。

余談ですが、後にアメリカでリメイクされたウィリアムフリードキン監督の「恐怖の報酬」は、悪くはないものの、こちらには及ばないと思うので、ご注意を。

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