アメリカ 2013
監督、脚本 マイケル・s・オヘダ
ああ、アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴの柳の下を狙ったわけね、という感じで、前半はそれほどそそられもしなかったんです。
これでヒロインを聾唖に設定するなんてあまりに鬼畜すぎるだろ、なんて思ったりもした。
ストーリーはほぼ予想どうりに、レイプ→復讐、のパターンを踏襲するわけですが、私が、えっ?ってなったのは中盤以降、復讐の機会を狙うヒロインが、どうやらもう死んでいるらしい、とわかった瞬間。
つまりこの作品、ゾンビヒロインVS悪辣非道なレイプ魔という構図を物語の軸にしているわけなんです。
それを示唆した瞬間からストーリーは急加速していきます。
ヒロイン、人外の強さで悪党どもを追い詰めていきます。
拳銃の弾をぶち込まれようが、ナイフでえぐられようが、ひき殺されようが、おかまいなし。
なんだよ、このスプラッターホラーは!と。
怖すぎるだろう、と。
一体どう決着をつけるつもりなのか、ハラハラしたんですが、ここで断言、全く予想外の結末が最後には待ち受けています。
ふいに訪れた愛と慟哭のエンディングに、完全に油断していた私は涙腺決壊、なんでこんな映画で泣いてるんだよ、と呆然。
見事に監督にしてやられた、って感じですかね。
キーパーソンはヒロインの婚約者。
まさかこの男が最後にあんな重要な役割を担わされていただなんて、と驚いた人はきっと私だけじゃなかったはずだ。
予想外の収穫でしたね。
決して目新しいわけではありませんが、この手の映画をこういう切り口で料理した手腕は見事だと思います。
いやー、私は好きですね。