2014年初出 カラスマタスク
集英社ウルトラジャンプコミックス 1~2巻(全13巻)
身体機能を軍事用に改造された「拡張者」の戦後を描いた近未来SF。
おそらく作者はサイボーグが活躍するハードボイルドな探偵ものがやりたいなのだと思います。
ありきたりで焼き直しに見えぬよう、緻密に世界を構築し、細部にもこだわっているのはよくわかるんですが、なんといいますか、誰ががやってそうな感じはやっぱり拭えない、というのが正直なところでしょうか。
キャラ造形や作話がどこかアニメ的なのも気になった。
唯一個性的だ、と思ったのは主人公の頭を拳銃そのものとしてデザインしたことですが、それも主人公以外にその発想がいかされていないことで出オチ気味。
主人公がどういう機能を持っていて、何が出来るのか、初期設定があいまいなのもひっかかりますし。
こういうSFは嫌いじゃないんですし、むしろ好きなほうなんですが、課題はたくさんあるように思えました。
若い人向き、でしょうね、現段階では。
ウルトラジャンプ掲載作品に何を当たり前なこと言ってんだ、ってな話ではあるんですが。
私が惹かれるものはあまりたくさんなかった、というのが正直なところでしょうか。