フランス 2014
監督 アブデラティフ・ケシシュ
原作 ジュリーマロ

カンヌ国際映画祭でパルムドール賞に輝いた作品。
スピルバーグが「偉大な愛の映画」と絶賛したらしいですが、はあ、そうなんすか?というのが私の率直な感想。
同性愛を大胆に描いた作品として話題をさらっていますが、これ別に同性愛でなくてもかまわないんじゃ・・と私は思いました。
LGBTであるが故の生き辛さ、苦悩みたいなものより、女同士だって素敵な恋愛ができるのよ、どう、魅力的に描写されてるでしょ?みたいな部分ばかりが私には目につき、監督の意図が掴みづらかった、と言うのはあります。
レズビアンを官能的に撮ることによって逆説的に愛はもっと自由なものである、と訴えたかったのかもしれませんが、 少なくとも日本においてそれはファンタジーでしかないですよね。
これをレズビアンでなく、もっと鬱屈したおかしな性癖に置き換えて考えた場合、はたしてそれは愛の映画と呼べるだろうか、と私は思うわけです。
結局置き換え可能な脇の甘さを私は許容できない、という事なのかもしれません。
まあ、なにも同性愛だからって世間の偏見や蔑視と戦う映画ばかりである必要はありませんが、それならそれで、3時間もの長丁場を見事に締めくくる素晴らしいエンディングを観客に見せつけて欲しかった。
物語をぶつ切るかのような突然のエンドロールに、え、これで終わり?と私は声をあげてしまいました。
これじゃあハーレクインロマンスじゃん、と。
何か見落としてる部分もあるのかもしれませんが、私にはこの作品、よくわかりません。
LGBTの現実に踏み込んだ1本だとはどうしても思えませんでした。
余談ですがエマ役のレアセドゥ、ボンジョビにそっくりだなあ、と思ったのは私だけでしょうか。