1975年初出 古賀新一
秋田書店チャンピオンコミックス 全19巻
70年代の少年チャンピオンを支えた人気漫画のひとつで、近年、何度か映画化されたりドラマ化されたりしている作品ですが、はっきり言って原作はそれほど優れた出来というわけでもなし。
黒魔術を使う中学生の魔女、黒井ミサが主役のホラーなんですが、作者は黒井ミサをどうしたかったのか、それがいくら巻を重ねても全然見えてこないのが最大の問題点でしょうね。
なぜ黒魔術を使うのか、なにゆえ魔女として現代に生きるのかが物語からすっぽり抜け落ちてしまっている状態。
要するにそもそもの存在理由自体が不透明だから、どんな手段で恐怖を煽ったところでなんのドラマも産まれないわけです。
ただ「学生の魔女が居ます」じゃあ、成立するのはせいぜいコントぐらいのもの。
それでも不条理な悪意のみを描き連ねた秋田書店版の1巻は、まだ得体の知れぬ怖さがありました。
しかしそこまで。
2巻以降はもうずっと低空飛行。
ドラマ版や映画版の方が遙かにおもしろいです。
正直、よく19巻まで続いたことよなあ、と思います。
有名な作品ですが、私が評価できる部分は少ないですね。