チンプイ

1985年初出 藤子F不二雄
小学館 全2巻

F先生、最後の児童漫画。

ある日突然、他天体であるマール星からルルロフ殿下のお妃様として選ばれた地球人の小学生エリの大騒動を描いたSFギャグなんですが、定番ながら実にかわいらしい作品で、なかなか好感触。

チンプイの造形がやたらかわいい、というのはありますね。

オバQも突出したデザインだと思うんですが、愛らしさはチンプイの方が上か、と思う。

これがネズミをモチーフにした、っていうんだから驚き。

某国のドル箱ネズミキャラなんかより私ははるかに好きです。

いきなり知らない星の殿下のお嫁さんになんかなれない、と拒否するエリと、それをなんとか納得させようとする取り巻き連中のドタバタな駆け引きもおもしろいんですが、エスパー魔美とはまた違ったおてんばな女の子が主人公、というのもどこか目新しくて新鮮でした。

F先生の娘さんの小さい頃の思い出が作品に反映されているのかなあ、なんて思ったり。

チンプイが地球より進んだ科学を持つマール星の科法(魔法のような不思議な力)使う、と言う設定ですんで、どうしたってドラえもんに似通っちゃう部分はあるんですが、そこはまあご愛嬌。

残念ながら未完なんですが、アニメは完結してまして、それが先生のプロットとほぼ近い、という話です。

女の子にも受け入れられそうな内容です。

名作のひとつにカウントしていい出来だと思います。

私はかなり好きですね。

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