2024 アメリカ/イギリス/トルコ
監督 ガイ・リッチー
脚本 ガイ・リッチー、ポール・タマシー、エリック・ジョンソン、アラッシュ・アメル

間違いなく戦争映画なんだけど、ケイパー映画のような質感で楽しい
第二次世界大戦中、イギリスで非公式に集められた特殊部隊の隠密活動を描くスパイアクション。
戦争映画といえば戦争映画でもあるんですが、やってることはオーシャンズ11(2001)あたりとほぼ同じで。
不可能と思われるミッションをその道のスペシャリストたちが大胆な行動力と機知で何とかしていく、という。
ガイ・リッチーの過去作の中ではコードネーム U.N.C.L.E.(2015)が一番近い風合いかもしれません。
ま、早い話が、この手のアクション映画やらせてまず失敗することはない安牌な監督、ということ。
普通に面白いです。
色々問題ありそうなはみ出し者たちが特殊任務を請け負う、という設定は、ありがちといえばありがちなんですが、味方にさえ何をやっているのかバレてはいけない作戦行動という縛りがストーリーに緊張感をもたらしていて。
いわゆる博打なんですね。
で、その大博打を仕掛けてるのが、議会から孤立していた時の大統領チャーチル、というのがまた面白い。
そしてなによりも驚かされるのが、このお話が実話ベースであること。
本当にチャーチルが秘密裏に指示したポストマスター作戦ってのが存在した、ってんだから恐れ入る。
ぶっちゃけね、物語前半は事がうまく運びすぎて「ルパンかよ」と失笑してしまうところもあったりするんですが、それも実話なんだと思うと逆に感心させられたりもするんで、ずるい、というかね。
私は実話であることに寄りかかった作劇は嫌いなんですけど、実話であることを前提に調子に乗っちゃった作劇はあんまりお目にかかったことはなくて。
過分にやりすぎ(いい意味で)だったりもする。
ああ、ガイ・リッチーらしいな、なんて。
さすがに史実をあんまり好き勝手改変するわけにもいかないでしょうから、お得意の二転三転するストーリーテリングは影を潜めているんですが、その分、今回は、キャラの作りこみにこだわって一気呵成に見せた感じですかね。
個人的には敵の大佐相手に虚々実々な駆け引きを見せるマージョリー(エイザ・ゴンザレス)がお気に入り。
見ててひやひやさせる演出もさることながら、なりきりぶりが上手で目が離せない感じ。
これは続編作れるな、と思ったんですが、まさにエンディングが続編匂わせる感じで、えっ、ほんとにやるの?とちょっと思った。
だって次は完全に創作にするしかないわけですから。
それはそれで見てみたい気もしますけどね。
大傑作、ってわけじゃないけど安定の良作だと思います。
ちなみに同監督作であるジェントルメン(2020)とはなんの関係もありません。
原題はThe Ministry of Ungentlemanly Warfare。
ねじレート 85/100

