1998年初出 イダタツヒコ
講談社ヤンマガKC 全2巻
地方の童歌をキーワードに連続する殺人事件を描いたサスペンスホラー。
惜しいところまでいってる、とは思うんです。
都市伝説の真相を探る事が主人公の出生地でもある山奥の寒村でおこった過去の忌まわしい出来事にリンクしていく、という展開は、いかにも当時のジャパニーズホラーブームに便乗したようなプロットではあるんですが、増幅していく恐怖の演出は水準以上にスリリング。
まあ、問題はオチでしょうね。
何を描きたかったのかわからなくはないんですが、ちょっと伝わりにくい、ってのはやっぱりあった。
何となくうやむやになってしまったような印象もなきにしもあらず。
あとは絵柄ですかね。
アニメっぽい目のぱっちりしたキャラでホラーって難しいと思うんですね、やっぱり。
怖さがブレる、というか。
傑作誰かがカッコゥと啼く前夜の佳作。
悪くはないが、ファン向けですかね。