2025 アメリカ
監督 スコット・デリクソン
脚本 スコット・デリクソン、C・ロバート・カーギル

心温まるエンディングが昔のホラーのよう
『あの世からかかってくる電話』をネタに恐怖を演出し、スマッシュヒットを飛ばしたブラック・フォン(2022)の続編。
以前も書いたんですが、私は前作をあんまり評価してなくて。
そもそも死人が電話かけてくる、っていうエピソード自体が怪談じゃもはや陳腐と言ってもいい定番だし、つまるところ、やってることは子供を狙ったサイコキラーを描いたありがちなスリラーでしかなかった、と思うんで。
またサイコキラー、グラバーがねえ、いまいちキャラ立ちしてなくてねえ。
立派なのはお面だけで中身がスカスカなんですよね、このオッサン。
想像させるものがなにもない。
なのに前作は興収1億6千万ドルを超えるヒット。
なにがそこまで観客の心をつかんだのか、さっぱりわからん。
ま、線の切れた黒電話がリンリンなって、あげくにお話しもできちゃうシーンは不気味でよかったんですけどね、うーん、それだけだと思うんだがなあ。
ですんでね、この続編に期待するものはあんまりなかったりはしたんですけど、あの終わり方からどうつなげるつもりなのか?ってのが気になったんで、今回視聴。
でまあ、最後まで観て、とりあえず思ったのは、これ、ブラック・フォンってタイトルじゃなくてもよくない?でした。
もう完全にファンサービスなんですよね、あの世からの電話が。
『ブラックフォンってタイトルだし、電話かけさねえわけにいかねえ』みたいな制作側の意図が透けて見えてて。
無理やり雪原に電話ボックス配置してる有様ですし。
おそらくプロット的には、グラバーを不死身のアイコンとして蘇らせたかっただけ、だと思うんです。
あわよくばブラックフォン3を・・・なんて、思ってたのかどうかはわかりませんが、物語は主人公兄妹がグラバーの過去を暴いていくのが主筋、となってますしね。
ただね、グラバーを狂える殺人鬼として肉付けしていく脚本にあんまり集中力がなくて、わかりやすいギミックというか派手な脅かしに色気を見せる傾向がやや強くて。
だいたいなんで死んだはずのグラバーが勝手に浮遊霊?化してんだよ、って話でね。
きっかけも原因もわからないまま、死人とは思えぬ物理的災いを主人公兄妹に及ぼしてきたりするんです、グラバー。
いやいやエルム街の悪夢のフレディですらもう少し制約あるわ、って。
もうバチカンの退魔師呼んで来いよ、って言いたくなるレベルで強烈に悪霊化してるんですよね。
それに抗するのは妹の霊能力だけなんですけど、構図だけ見てるとね、なんかもう死霊館シリーズのようにも見えてきて。
それでいてルール作りがあいまいだから、何ができて何ができないのかがよくわからんし、グラバーがなぜ3人の少年をウィークポイントとしてるのかも不可解なままなもんだから、ああ、そうなんですか?と無理やり自分を納得させてついていくしか観進める術がなく。
ま、終盤、主人公兄妹の死んだ母との会話をストーリーの落としどころとしたのは優秀だったかな、と思います。
そのために『電話』へこだわった、ともとれなくはないですし。
前回では不完全燃焼だった家族の物語にちゃんと落とし前をつけたのは良かったかな。
ギリギリ及第点ですかね。
よくわからんな、と思う部分もあるが、物語の締めは悪くなかった、そんなところでしょうか。
ねじレート 70/100

