バカとゴッホ

1997年初出 加藤伸吉
講談社モーニングKC 全2巻

音楽で一旗あげてやろうと目論む二人組男子と、デザイナーを目指す女子の悪戦苦闘な日々を描いた青春グラフィティ(死語)。

私はリアルタイムで読んでないんで、当時の読者の反応とかわからないんですが、なんか昭和っぽいノリの漫画だなあ、と思ったりしました。

主人公の堺がね、猪突猛進で直情型のバカなんですね。

タイトルで「バカ」って言ってるぐらいだから、作者もきっとバカを描きたかったんでしょうけど。

ただね、堺みたいなタイプは昭和の漫画の中にしか存在してないんじゃねえか?と私は思うんですね。

少なくともこの漫画が連載されていた平成ではない。

ひどくカリカチュアライズされてるように感じるんですよね、しいては現実味がない。

まあ、早い話が主人公もデザイナー志望の女子ゴッホも上手く世間とやっていけないタイプなんですけど、バカがいかにもな漫画の登場人物なんで、ゴッホや2人を取り巻く世界もなんだかいちいち狙ってるような感触があって。

これがギャグ漫画なら十分このキャラで通用したし、2巻で打ち切られるようなことはなかったのでは、と思うんですが、どこか深刻で真面目なのが物語をややこしくしてる気がしましたね。

やたらセンシティブだったりするのが、本当に面倒くさくて(これは私がオッサンなせいでしょうけど)。

急転直下するシナリオ進行も韓国ドラマかよ、と言いたくなる突飛さで疑問。

まともなレールから外れた生き様を描いてるはずが、最終的には「みんないい人で仲間」みたいなうさん臭さを着地点としていて、そりゃないだろ、と。

なんだこの青臭さは、みたいな。

うーん、なんか独特な漫画を描く人だなあ、とは思うんです、それは認める、でもそれが物語に反映されてない。

カルトになれなかったカルト漫画家という評をどこかで読んだ気がするんですが、なるほどなあ、と思いますね。

どこか相原コージに似たタッチの絵柄が暑苦しく感じる人もいるかもしれない。

なにか隠し持ってそうな気配だけはあるんで、もう一作、別の作品を読んで判断したいと思います。

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