Holy Brownie

1996年初出 六道神士
少年画報社ヤングキングコミックス 1~4巻(全6巻)

グリム童話の靴屋の小人をモチーフに、人には不可視の小人(妖精)たちが世界のひずみを神の意志の元に修正すべく、奮闘する様子を描いた一話完結のファンタジー。

設定は壮大というか、大掛かりなようにも感じられますが、基本コメディでギャグ漫画ですんで、それほど身構える必要はありません。

大抵は小人たちの思ったとおりに事が運ばず、当初の意図とは違う形でトラブルが収まってしまったりするんですけど、そんなドタバタぶりも含めてお楽しみください、ってのが作品の醍醐味。

だだこの作品、1996~99年までは成人誌に掲載されており、改稿されぬままヤングキングコミックスとして単行本化されてるんで、毎回毎回お約束のようにらしからぬエロシーンが挿入されてまして。

市立戦隊ダイテンジン(1994~)のページでも書きましたけど、それがもう本当に煩わしくて。

シナリオ進行上、まるで必要なくても義務であるかのように濡れ場にページが割かれますから。

掲載誌の性格上、仕方のないことなのかもしれませんが、安っぽくてお粗末な印象はどうしたって受ける。

しいては成人誌連載であることが「この程度でいいか・・」みたいなゆるさ、適当さを招いているようにも感じられて。

とりあえず私が致命的だと思ったのは、童話の世界から小人たちを連れ出して現実世界に放り込むことで成立している物語に、再三、童話世界を再訪するような真似をさせていること。

虚構に虚構を上塗りしてるんですよね。

リアリズムの喪失を自ら主導してどうする、って話で。

世界の歪みを修正するどころか、押し広げてるじゃねえかよ、と。

99年以降は、ヤングキングアワーズに連載誌を移したおかげもあってか、お話の組み立て方も徐々に変わっていったらしいんですけど、私はそこまで辛抱して読み続ける事ができず4巻で頓挫。

エクセル・サーガ(1996~)に及ぶべくもない、ってのが正直なところでしょうか。

興味のある方は序盤をすっ飛ばして最終巻あたりをまず読んでみるのも一興かもしれません。

私が面白い!と思った六道神士の面影はここにはないですね。

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