1977年初出 松本零士
講談社マガジンKC 全3巻
中学生なのに何故かアパートで1人暮らしの物野けじめを主人公にまたもや定番の四畳半ものか、と思いきや徐々にSFに傾倒していく風変わりな一作。
物語の指向性はワダチに近いんですが、ワダチほど出来はよくありません。
元々作者は生体の機械化ネタが好きな人ですが、本作でもそれは流用されており、それがちょっとワンパターンなのと、あまりに唐突な終盤での展開が私にはやや強引過ぎるように思えました。
相変わらず謎も謎のまま放置。
よって伏線だろうと思われるものも伏線の意味をなさず。
そもそも一切何もしていない、事態にかかわっていない主人公をなぜヒロインは大事にするのか、住んでいる四畳半がなぜ人類最後の砦になっちゃうのか、全くその理由が見えてこないので、まるで感情移入できないんですね。
こういっちゃあなんですが、行き当たりばったり、と言った感じです。
色々残念。