アメリカ 2010
監督、脚本 ジョシュア・グランネル
![ホラー・シネマ・パラダイス](https://namakajirijungle.work/wp-content/uploads/2020/03/202003141213-800x1135.jpg)
あ、意外とちゃんとしてる、というのが観た後の率直な感想でしたね。
ホラーコメディ、みたいなキャッチコピーがあったので、もっと滅茶苦茶やってるのかな、と思ったんですが、至極普通にサイコスリラーで、幾分拍子抜けした、というのはあったんですけどね。
まあ、映写技師のじじいのキャラが笑えるとか、細かな悪ふざけはあるんですが、コメディってほどではない、といった感触。
うまいな、と思ったのは、偶然防犯カメラが捕らえた凶行シーンが、フィクションにしてはリアルすぎる、と観客から絶賛をあびる展開。
さて、これは、よりショッキングなものを求めがちなホラー映画ファンに対する強烈な皮肉なのか、アンチテーゼか。
終盤、認められる快感に酔いしれた主人公が、現実丸ごとフィクションにすりかえてしまおうと、ある行動に出るシナリオは秀逸だったと思います。
それこそが、ホラーファン究極の喜びでしょう、といいたげな狂気渦巻く描写は、ちょっと予想外でしたね。
思わぬひろいもの、と言った印象。
監督は、実はホラー嫌いなの?と思わずかんぐったりしたくなる、なかなかの秀作だと思います。