アメリカ 2016
監督 アダム・ウィンガード
脚本 サイモン・バレット

ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999)の正統なる続編、とのフレコミですが、正直言って前作よく覚えてません。
わざわざ見直すのも面倒だなあ、と思いつつ、まあいいか、と視聴に望んだんですが、私と似たような状況にある方、ご安心あれ。
覚えてなくても全然大丈夫。
大筋は説明してくれますし、それにあえて細部を思い出せねばならないような必要性もありません。
何故か。
すべてが「焼き直し」だからですね。
私は本作を見ながら前作のあれこれを順次思い出していったような次第でして。
もう、はっきり言ってしまいますが、なぜわざわざ18年も経過してから同じことを2度やる必要があるのか?と、この作品の問題点はそれにつきますね。
やっぱり続編ならね、前作で残された謎を明かすなり、スリルや恐怖が倍増してるなり、切り口が違うなり、それなりの見どころがなきゃ制作する意味がないだろうと私は思うんですよ。
なのに相も変わらず主人公一行は森でキャンプ。
新兵器はドローンとGPSだけ。
そんなもの怪現象の前では故障するに決まってるだろうが、と思ってたら案の定両方故障しやがるし。
飛んで火にいる夏の虫も一度ならまだ許せますが、それを2度やるのは単なるバカである、としか言いようがない。
しかも監督は懲りもせずまたPOVでこの物語を撮影しやがるんですよ。
ブレア・ウィッチは一発芸だったからこそあれほど話題になり、新鮮にも感じられたのだ、ということを製作者側は全くわかってない。
結局「こんなギリギリの状況で主観撮影なんて、登場人物たちができるわけがないだろうが!」というツッコミがただ再燃するだけの有様でね、もうほんとひどいというか、情けないというか。
音で驚かせる手法も前作と変わらず。
唯一評価できたのは、POVなのにプロ裸足のカメラワークと編集があったことですが、あ、すまん、それを評価するのは逆におかしいか。
そのおかげで多少は見やすい、ってのはあったんですが、見やすさ追求してちゃPOVにする意味がないですね、うん。
どうしたアダム・ウィンガード、その一言ですね。
順調にキャリアを重ねてたのにすさまじい転びっぷりであたしゃびっくりです。
ファンは見なくて大丈夫、というかこりゃダメだ、80年代じゃないんだから、もうほんとしっかりしろ、以上。