2025 アメリカ
監督 ダン・バーグ、ロバート・オルセン
脚本 ラース・ジェイコブソン

爆笑を期待していたが、クスッ、ぐらいだったのがちょっと
生まれついての無痛症である主人公の身体的特性を活かした決死の恋人救出劇を描く、アクションコメディ。
『無痛症』などという希少な難病に着目してコメディ撮ろう、と思った発想は悪くないと思うんですが、それが素直に笑えるかどうか?で作品の評価は180度変わってくる気がするんですね。
それがね、視聴前に少し警戒しちゃったことで。
上手に笑えなかったりするとザ・コンサルタント(2016)みたいになってしまう可能性もなくはない。
私はザ・コンサルタントを無自覚の差別映画だと思ってるんで、あんな風になっちゃうとさすがにアホズラして寝転んで視聴してるわけにいかない。
でまあ、結果からいうとあんまり笑えなかった、ってのが正直なところでして。
けれど、じゃあそれが『差別的だったから』なのか?というとそうでもないあたりが難しい点で。
単純にね、痛すぎるわけですよ、描写が。
劇場用ポスターにも書き立てられててますけど、煮えたぎった油に手を突っ込むわ、両手にガラスの破片を埋め込んでオリジナルのカイザーナックルを完成させちゃうわ、矢が太もも貫通するわで、どこのスプラッターホラーなんだよ、ってなありさまでね、見てるだけであちこちむずむずしてきちゃうわけです。
自分でもよくわからないんですが、ホラー映画で首が飛んだり、目玉えぐられたりの描写があっても全然平気な私が、なんでこの映画に限ってはこうもシンクロしちゃうのか、ほんと不思議でならない。
中にはジワる人たちもおられるんでしょうけど「いくら痛くないからってそんなことしたら治らなくなるぞ!医療にも限界あるんだぞ!」とか、考えてしまう私は自覚以上にお人よしなのかもしれません。
なので私の場合、評価は『無痛症の主人公』という独自性以外の部分で見出すしかないわけなんですが、それ以外、ってなると『もてない君の猪突猛進なGO FOR BROKE』にどこまで共感できるのか?になっちゃうんですよね、物語の構造的に。
ぶっちゃけ、そこまでやるか?と思わなくはない。
いくら初めての恋人だったから、って、警察官から拳銃拝借してパトカー盗んで拉致された恋人を追跡とか、見境いなさすぎるだろう、と思いますし。
しかも追跡途中で、恣意的ではなかったにせよ、人殺してるんですよね、主人公。
いやもう滅茶苦茶ですやん、って。
多分、制作側の意図としてはブラックユーモアのつもりなんだろうと思う。
黒い笑いと、主人公の一直線な純情をお楽しみください、ってところなんでしょうけど、なんだろ、微妙にスベってるんですよね、どのシークエンスも。
どこか真面目なんですよ、制作側。
今、気づいたんですが、どっちつかずというか、針が振り切ってないから変に痛みにシンクロしちゃったのかもしれんな、私。
ま、ネットでしか付き合いのない親友が助けに現れるくだりとか、ヒロインが実は別に目的があって主人公を誘惑したことが早々に視聴者にわかってしまうシナリオ構成はよくできてた、と思います。
あとはやっぱり、もっと悪ふざけしてくれてもいいのに・・ってなところですかね。
続編作るつもりなぐらいの貪欲さがあったほうが、主人公ももっと活きたかもしれません。
キャラ設定は独特だが、平均点、それが結論でしょうか。
ねじレート 65/100

