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1965年初出 手塚治虫

地球よりも遙かに科学や文明の進んだ星に住む宇宙人達が、地球人の知らないところで実は銀河連邦を形成。

銀河連邦は争いの耐えぬ地球を滅ぼしてしまうかどうか結論を出すために地球に3人のスパイを送り込んだが・・・ってなオープニングから始まるSFなんですが、そのような映画だかテレビドラマを見たことがあるようなないような。

少し毛色が違うのは、スパイ3人が地球上では動物に姿を変えてしまっていること。

企画先行の作品らしいんですが、地球の少年とスパイ達が少しづつ心をかよわせあって、お互いに成長、偏見を取り払っていく展開はセオリーどおりながら丁寧に描かれていると思います。

見事なのはラスト。

まさかこういう作品でタイムパラドックス的手法を用いてくるとは・・・ととても驚かされました。

50年代後半から60年代初頭って、先生、軽いスランプ状態にあったように思うんですが、それを一気に突き抜けた快作ですね。

張り巡らされた伏線がどんでん返しへと鮮やかに結びついた手塚治虫60年代の名作のひとつ。

これは抑えておくべきでしょう。

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