SARU

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2010年初版 五十嵐大介
小学館ikkiコミックス 上、下

伊坂光太郎との競作企画で、お互いが同じテーマで作品を書いたことが話題になりましたが、新しい売り方だな・・と思う以上のことは特になし。

それが双方の創作にどのような影響を及ぼしたのか、伊坂光太郎をよく知らないんで読者としちゃあ判断に微妙なところ。

ただまあそういうのを一切抜きにして考えたとしても本作、五十嵐大介にしちゃあベタだな、というのはありました。

ノストラダムスの有名な預言詩をモチーフに、というところからして今更このネタでまだやるのか、と思いますし、「失われた聖櫃」も使いまわされすぎてて手垢だらけか、と。

巨大な猿の化け物を伝奇的に創造した手管は興味深かったんですが、それが聖と邪の最終戦争なんて場所に着地しようとするのがこれまた興ざめ。

さらにエンディング、これはちょっと都合がよすぎるのはないか、と思うわけです。

こういう世界の危機、みたいなものをコーヒーカップの湯気の中に描いてさっ、と霧散させてしまうのが作者だと私は思っていたんですが、違ったんでしょうか?

とても生真面目に、丁寧に作り上げられたオカルト伝奇SFだと思うんですが、これをあえて五十嵐大介がやる必要が?というところで疑問が残りますね。

お題に答えるためとはいえ、らしさを棄ててまで期待に沿う必要はなかったのでは、と思う次第。

うーん、嫌いではないですが、かといって、あまり興味も持てず。

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