ダラス・バイヤーズクラブ

ダラス・バイヤーズクラブ

2014 アメリカ
監督 ジャン=マルク・ヴァレ
脚本 クレイグボーデン メリッサウォーラック

ダラス・バイヤーズクラブ

まだエイズが広く認知されていなかった80年代アメリカ、知識のなさから罹病してしまい、余命30日と宣告された電気技師の苦悩と葛藤を描いた作品。

実話が元になってるらしいのですが、本当にこんなやつが居たのか、と、私は単純に主人公のそのバイタリティに感心させられました。

えてしてこういう作品って、感動大作な方向に進みがちだと思うんですよ。

もちろんそういう要素もちりばめられているんですが、 それよりも剥きだしで描かれているのはカウントダウンにはいっちゃった自分の人生を、どう使って、どう生き延びるか、という部分。

あきらめない、というとわかりやすいですが、私はその手の曇りのない真正直さよりも、たとえ法に触れようが、俺様流をつらぬく、といった頑固さ、開き直りが、生死の境目でもブレずに貫き通されているのに唸らされました。

もし自分がこういう立場に置かれたらどうなるだろうか。

どう考えても製薬会社を敵に回し、非認可の薬を密売する、なんて行動はとれそうにありません。

巨大な利権が人を殺すなら、俺は1人ででもそれに抗って救える人間を救ってやる、ただし、金は取るぜ、というスタンスがかっこよすぎて眩暈がしてきます。

同じ病を患うオカマのレイヨンとの交流も心揺さぶられるものがあります。

ゲイを毛嫌いしながらもレイヨンを擁護してやるシーンには思わず涙腺が弛緩。

エンディング、ちょっとあっけなく終わりすぎかな、と思ったりもしましたが、長く記憶に残る一作、と言っていいでしょうね。

死を目の当たりにして、ろくでもない人生を送ってきた男が最後に本気で闘う、という構図は、かの黒沢監督の「生きる」に近いものがあるかもしれません。

まあ、こっちの方がずっとやさぐれててファッキンな感じではありますが。

Tレックスの曲が劇中歌として頻繁に流れてきますが、これも妙にマッチ。

オススメの1本です。

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