黄金の7人

イタリア 1965
監督 マルコ・ヴィカリオ
脚本 マルコ・ヴィカリオ、マリアノ・オゾレス、ノエル・ギルモア

黄金の7人

スイス銀行に眠る7トンの金塊を強奪せしめんとする、7人の泥棒たちを描いた犯罪映画。

日本においてはルパン三世の元ネタになった、と言われてますが、なるほど納得。

ジョルジャを演じるロッサナ・ポデスタなんて、まんま不二子ですし。

さしずめ教授役のフィリップ・ルロワがルパンといったところか。

ちなみにルパン三世の原作を手掛けたモンキー・パンチはこの映画、見てないか、知っててもあんまり影響受けてないと思います。

モロに感化されてるのはTVアニメシリーズを手掛けた大隅正秋ですかね。

もう、そのまんま、といっていい。

アニメにおける哀愁を帯びたハードボイルドタッチな演出は、また別物と考えていいのかもしれませんが、悪女と懲りない大泥棒の構図といい、裏切りと駆け引きが交錯するが、敵も味方もなんだか同じ穴の狢で結局ドタバタ喜劇風になっちゃう展開といい、劇伴にジャズ系の音を使ってることといい、これで「ルパンは関係ない」と言ってもそりゃ通らない。

この手の映画に詳しいわけじゃないですけど、かほどにポップでキッチュなライトさが当時は新しかった、ということなんでしょうね。

こういうのをアニメでやりたい!と思うほどに。

ただまあ、私も含めて多くの日本人はルパンに慣れ親しんでますんで。

今あらためてこの作品に触れて、なにか目新しいものがあるか、というと、そりゃなかなか難しいものもある。

やっぱりみんなが泥棒映画と言われて思い出すのはオーシャンズ11(2001)であったり、ミニミニ大作戦(2003)あたりだろうと思うんで。

シナリオの緻密さや、スリル、迫力、ドラマ性ともに両作より見劣りするのは確か。

また小道具がねー、なんとも古臭くて胡散臭いのが興をそぐんですよね。

時代が時代ですし、仕方がないのかもしれませんけど。

泥棒映画、というより、クライムコメディ、と考えて見るのが正解かもしれません。

あまり肩に力を入れず、登場人物たちの立ち回りの軽さを楽しむぐらいでちょうどいいのかも。

意味なく髪型や衣装を頻繁に変えるジョルジャの七変化を眼福とするのも一興。

テレビ映画っぽい、と言ってしまえばそれまでですが、遠く海を超えてルパン三世という国民的アニメの礎となった、と思えば興味深いものもきっとあることでしょう。

海外の評価がどうなってるのか、少し気になるところですね。

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