ホビット 決戦のゆくえ

アメリカ/ニュージーランド 2014
監督 ピーター・ジャクソン
脚本 フラン・ウォルシュ、ピーター・ボウエン、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロ

ホビット 決戦のゆくえ

なんだかんだいってやっぱり最高品質のファンタジーだよなあ、と思うわけです。

私がこのシリーズで一番感心したのは、描かれている世界が、ニュージーランドを舞台、とわかっているにも関わらず、この世界のどこでもないように感じられた点なんですね。

これは撮影風景を写した映像特典を見てもかわらなかった。

耳の長いエルフやドワーフ、魔法使いや竜が居ても全然違和感がないんです。

ああこれは中つ国以外のなにものでもない、と見ていて納得できる。

これって凄い重要なことだと思うんですね。

シナリオはわかりやすい冒険と友情の物語ですんで、大人が感銘を受けるほどではないんですが、それでも144分という長丁場を、決して飽きさせることなくみせきった手練手管は賞賛されてしかるべきだと思います。

唯一問題点があるとしたら、主役と思しきビルボ役のマーティン・フリーマンがいまいちさえない風貌であることぐらいでしょうか。

逆にビルボ主役で、三部作をきっちり商業ベースにのせた、という事の方が凄い、と言えるかもしれませんが。

さすがにロードオブザリングと比較すると原作の密度の違いもあって、その内容の濃さに開きは感じられますが、そこを指摘するのは酷過ぎる、という気もしないでもありません。

凡百のファンタジーを上回るスケールとテンションを維持しているのは確か。

子供に見せてあげたい、と思える1本ですね。

壮大なシリーズの有終を飾るにふさわしい、ドラマチックな作品だと思います。

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