アメリカ 2017
監督 ラース・クレヴバーグ
脚本 ブレア・バトラー
いわゆる「呪いのカメラ」のお話ですね。
そのカメラの被写体となった人間は例外なくみんな死ぬ、ってやつ。
はっきり言って、なんの新鮮味もなければ物珍しさもありません。
わざわざ2017年にやるようなネタか?これ?と小首をかしげたくもなったりするわけですが、新人監督のお披露目的な作品と考えるなら、まあ、安定感あるほうかな、と思ったりはします。
シナリオは「いかに死を回避するか?」に焦点を絞って進んでいきますんで、ますます既視感が増すこと請け合いなんですけど、唯一上手だったのはミステリ的な味付けを施したことでしょうか。
軽いどんでん返しがあるんですね。
どんでん返し、って言うほどじゃないかもしれませんけど。
えっ、だとすると死の執行者は誰なんだ?とちょっと前のめりになったりもする。
最終的に主人公が選択した「死を回避するためのロジック」には賛否がありそうな気もしますが、偶然やイレギュラーに頼らず、法則性に沿った解決法を提示してみせたことは好感が持てますね。
この手のホラーにおける要点はきちんと抑えてると思う。
あとは創造性でしょうかね。
例えば死の執行者の造形とかね、もう少し工夫できなかったものか、と思うんです。
なんだかサイレントヒル(2006)に出てくるアレみたいな無機質さなんですよね。
満を持してこれ?みたいなすっぽぬけ感はどうしたってある。
題材は陳腐だが、絵の説得力が恐怖心を鷲掴みにするケースもないわけじゃないですし。
もう少し「観客をどう裏切るか」を考えて良かったかもしれない。
高望みし過ぎなのかもしれませんけどね。
なんせホラー擦れしちゃってるもんだから、怖いか怖くないかでいうと全然怖くはなかったりもするんでいささか辛辣ですけど、あえて否定的になるほど凡庸というわけでもない、といったところでしょうか。
リブート版、チャイルド・プレイ(2019)の仕上がり具合が気になるところですね。