万祝

2003年初版 望月峯太郎
講談社ヤンマガKC 全11巻

あーこっちの方向に行ってしまうのかー・・・って感じでしたね。

コメディとシリアスなSF/ホラーの二丁拳銃で、今後も使い分けてやっていくのかな?と思いきや、なんと今回は女子高生を主人公とした海洋冒険ものときた。

こういっちゃあなんだけど、とても普通です。

なんとも少年漫画的というか。

望月峯太郎のようなクセのある漫画家が、なぜ今更この手のジャンルに参入してこなきゃならんのだ?と当時は思いましたね。

こういうのはONE PIECEにまかせておけばいいじゃん、って。

 まるで面白くない、というわけじゃないんですけどね、あれほど才気ほとばしってた人がのべつまくなしにパンツ見せてる女子高生を描いてる時点で私はひどく冷めました。

そんなことしなくてもいい描き手だったじゃないですか、と。

ま、そもそもが難しかったとは思うんです。

今の時代に「幻の海賊島」という設定自体。

google mapが世界中を丸裸にしたのが2005年ですから、あまりにタイミングが悪すぎた、ってのもある。

自宅に居ながらして「いやいやないでしょ、海賊島とか」って言えてしまいますもんね。

リアリティをもたせるための、色んな工夫や努力は伝わってきますし、冒険を盛り上げる手管も達者なんですけどね、私の場合、どうしても最後まで集中出来ませんでしたね。

個性派からメインストリームでも通用する漫画家への脱皮を試みたのかもしれませんが、昔からのファンが期待するものを裏切ってまでやるほどの内容じゃなかった、ってのが正直なところでしょうか。

ドラゴンヘッド(1994~)であれこれ叩かれたのがよほどこたえたのかなあ。

似合わないことをやってる、ってのが率直な感想。

どうしてもこれをやりたかったのなら少年誌でやるべきだった、と思う次第。

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